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人類の業による時代と堆積物

 石の種類は図鑑と照らし合わせてもわからないものが多い.時には顕微鏡や化学分析で見ないとわからないこともある.もうそうなってしまうと岩石・鉱物に疎い自分には厳しい.

 組織・組成が複雑で中間型みたいなものが平気で出てくるので,動物園の動物や大型の昆虫を鑑定するのとはちょっと訳が違う,ってわけだ.

 学生の頃や地質コンサル時代の野外実習なぞで,師匠である先輩や上司に「この石,なんすか?」と質問して教えてもらったのが懐かしい.
 時には「石に聞け!」と答えを逃げる先輩もいた.自分も今は人に聞かれてわからないと遠くに投げてごまかす.

 そんな中,たまにレンガやコンクリのかけらを持っていって「こんなんありましたが?」と師匠に聞いたこともある.たまに師匠も騙されることがあり,答えを言うと苦笑しながら怒られる.

 鉱山のある山の中では鉱滓が落ちていて,天然の鉱石と思い感動し,その後それが鉱業の余りかすと聞いて落胆したこともあった.

そして,苦笑や落胆の後には,そんなカケラについて「じゃ,これは第四紀人類岩ですね」などと命名した.



前置きが長くなったけど,今日はそれに少し通じる話.

Anthropoceneというドイツ産の新しい言葉がある.言葉が生まれて10年程度.
オゾンホールを見つけたノーベル賞学者が,おおよそ産業革命以降の急激な地球環境変化による時代をそう命名した.

http://pubs.acs.org/doi/pdfplus/10.1021/es903118j

もしこの年代区分が定着すれば,冗談ではなく,苦笑されたレンガやコンクリは「Anthropoceneの岩石」ということになる.

地層を見るとき,都市の地盤の表層は殆どが「盛土」として記載され,時代区分はもちろん現世とされている.これらにこの時代名を地質年代区分を適用するとAnthropoceneの堆積物と言う事になるか.人工のダム湖の湖底堆積物も,東京の夢の島もそうだ.


 しかし,このAnthropoceneという時代区分,たまに環境問題・や新しい時代の環境変遷関連では使われるらしいが,学会ではまだ正式に受け入れられているわけではない.もちろん日本ではまだ耳慣れない言葉.

したがって,日本語訳も定まっていない.

 学会に受け入れられなくても(いろいろ家庭の事情があるだろうから),いずれ和訳も必要となるのではないか?
 
 さてどうするか.それはいずれ決まる(かもしれない)として,ここで好き勝手に訳してみよう.

 AnthropoはAnthropology人類学のアンスロ.Ceneは世.Holocene完新世のシン.

 となると,人類世,人間世となるか.
人類の世の中,という意味になるから,中世以前の人たちからすれが,おぃおぃ.この時代の我々人類を一緒にしないでくれと言われそうか.

 新人世:いいかも.新しい人の世.これになるのかな?

人新世:これはサンソウケンのS氏が提唱ずみ.さすが.第三紀,第四紀の世はすべて新がついているからそれを継承するという意味もあるのだろう.その時代の地層って時に「人新統」ってなっても使えそうな気はする.

でも,前の訳語も含めて「新しい」という言葉をたった漢字3文字に入れるのはスペースがもったいない.


ということで,ここはもう少し意味深な訳語を考えたい.
第四紀がそもそもヒトや類人猿の時代の意味を持っているので,3文字の中に,人が作用した時代,という意味を入れるべきだろう.

人工世:こりゃないか.

となると..

人為世:人が為した業によって生まれた時代であり,それによって形成された層序でもあるので.
これを提案したい.

ただ,,ジンイセイ,響きが悪い.ジンタメソウ,無い無い.となるとまず採用されないか.人由世もだめ? 漢文強い人に聞かないとだめだ.

業新世はどうだろか.この場合,ギョウシンセイと読むと暁新世と同音になってしまうので,ゴウシンセイと読まないといかん.ただ,これだとちょっと仏教的か.



形成時代は人為世.形成要因は小氷期以降の温暖化(人為だけではない).の例として.
1998年の東ネパールの氷河湖決壊堆積物↓
決壊部分2r写真5r

そうそう,人為統の人糞層ってのがあって(汚いけど)コンサルの同僚が低地のボーリングで掘り抜いたことがあるらしい.
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tag : Anthropocene アンスロポシン 人類 第四紀 完新世 地質年代区分 和訳

コメント

非公開コメント

昔は

人為統の人糞層
は、溜まりになっていて、落ちた人も居たそうな・・・。
(下ねたですた)

さて、人為統ですが、
東京湾のど真ん中にも大きな人為統がありますな。
昔、学会巡検で行きましたが、
普通の盛土より高盛土で、なおかつ立ち上がってて・・・怖い!

案内者によると、”燃えないゴミ”はそれ自体が摩擦係数が高いので、勾配を急にして、立ち上がった状態でも安定しているんだそうな。

すんごい将来、どういう評価を受けるんでしょうね?
中央防波堤内側埋立地。

No title

そんなとこあるんですか!

そのうち,人為統カタログができて中央防波堤燃えないごみ層,多摩丘陵谷地埋め立て層,諫早淡水層,なんてのが露頭断面で記載されちゃったりして.

落ちないように

>そんなとこあるんですか!

って、最初の「溜まり」に反応していたのなら、
それは「肥溜」なので、田舎で、土地勘の無い人は畑の隅のほうで
急に”神隠し”にあったりするわけで・・・。

さて、もう1つの人為統「高山」。
普通の盛土は5m程度で小段を作るけど、
人為統では7-8m程度はいけるらしい。
燃えないゴミでは、水を吸わないので流れ出すこともないし、
嵩も減らない。
その上に土を掛けて、次の段をまた形成。
・・・の繰り返し。

露頭標準断面は・・・
あまり見たくないものがいっぱい入っていそうな気がする。
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ブータン地質鉱山局に身をおく一地球人の独り言と備忘録.

 ヒマラヤの氷河・氷河湖問題,山地・気象災害とかってどうなのか.この地が,この社会がなぜできたのか,ブータンは,日本は幸せなのか,我が子はどう育つのか,興味の相手はつきません.

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